過去の振り返りが肝？！自己分析の重要性と取り組み方

自己分析は、自分を効果的に売り込むために必要です。売る商品が「自分」だからこそ、自身の強みや価値を正しく理解し、相手に伝えられるようにすることが重要です。理解が浅いと説得力が欠け、魅力が伝わらないためです。
よくある例として、「課題解決能力」を挙げる学生さんが多いのですが、これは企業側からすると少し抽象的で考えが浅く見えてしまう恐れがあります。
課題解決に至る過程・アプローチ方法にこそ個性や強みが出やすいです。例えば問題解決に至る過程には個々人の特徴＝強みがでます。

・とにかく量をこなしてみる、まずやってみるという『行動力』
・周りを巻き込み、臆せず人に聞いてみる『コミュニケーション力』
・戦略的に考え多数の方法を考える、計画的に進めるなどの『思考力』

キャッチーな表現などにとらわれず、自身の原体験を掘り下げて考えることが重要です。

自己分析は、一度やれば終わりではなく、継続して磨き続けるものだと思います。選考などを通じて気づきが生まれ、より深まっていくためです。選考が始まるまでに一定の準備は必要ですが、進む中で自分の強みやアピールポイントを変えても問題ありません。よく「履歴書と面接で話す内容が異なってしまうのは良くないか？」という質問をもらいますが、成長や変化の表れとポジティブに捉えられるため、むしろ積極的にアップデートすることが大切です。

自己分析は自分だけで完結せず、他者の視点を取り入れることで磨かれると思います。相手に見てもらったり、伝える機会を持つことで、自分の強みや課題が明確になっていくと思います。

過去の経験を振り返ることはとても大切です。過去に本気になった瞬間、その時はどんな環境にいたか。例えば、厳しい指導のもとで力を発揮したのか、それとも自由度の高い環境で主体的に取り組んだのか。人生のフェーズごとに、小・中・高・大学でどのような選択をしてきたのか、選択の背景を分析することも大切です。
学生の多くは「やりたいことを見つけなければ」と焦り、先に志望業界を決めてしまいがちです。その結果、企業視点でいうと入社がゴールになっているケースが多いです。つまり、業界や企業に合わせて自分を寄せて考えてしまうことがあります。しかし、仕事や会社について詳しくない段階では、どうしてもこれまでの経験の中で判断するしかありません。
だからこそ、就活は積極的に情報を取りに行き、多くの企業や仕事に触れることはとても重要です。アクティブに動く人ほど視野が広がり、やりたいことが見えてきます。選択肢を増やすためにも、さまざまな業界や職種など情報に触れる機会を作りましょう。

自分史を作成し、振り返ることはおすすめです。これまでの経験の中には必ず根本的な欲求や価値観が表れており、自分の持つ力やその背景が明確になるからです。未来の目標ややりたいと思うことも過去の経験に紐づいているはずです。
周囲を巻き込む力があるのか、サポートに回るタイプなのか、それともストイックに突き進むタイプなのか。こうした特色を明確にし、能力の濃淡を可視化することで、説得力を持って「自分」をアピールすることができるようになると思います。