自己PRで求められていることは?企業側の狙いや意識すべきポイントを解説!
ガクチカとの違いは?企業によってPRする内容も変えた方がいいの?企業は何を見ているの?など自己PRへの悩みは就活生の誰しもが抱えるもの…
現役就活生のPさん、Oさん。大手コンサルティング会社に内定が決まったIさん。そして10万人を超える学生支援を行ってきた採用のプロ 小柳さんが対談形式で「自己PRの目的や意識すべきポイントなど」について解説していきます。
登場人物のご紹介
小柳さん
日本初の新卒エージェント会社に新卒1期生として入社。26歳でシンクトワイス(株)の創業&役員&新卒紹介事業部の責任者を務める。35歳でヒトツメ(株)を創業&取締役従事。
Iさん
早慶上智/文系/4年生
内定先:大手コンサルティング会社
バイト経験:カフェ、塾講師
趣味:ランニング、バスケ、温泉
Pさん
国公立大学/文系/3年生
志望業界:広告、マーケティング系
バイト経験:マクドナルド、イタリアン、塾講師
趣味:バドミントン、カラオケ、ピアノ
Oさん
国公立大学/理系/3年生
志望業界:IT系
バイト経験:アパレル、塾講師
趣味:ボルダリング、映画鑑賞
目次
就活生が語る自己PRにおいての悩み
01
小柳さん
Iさんは就活を通して自己PRについて何か悩んだことはありましたか?
Iさん
ガクチカとの違いに悩みました。ガクチカのエピソードも結局は自分をPRするための内容になるので、どうやって切り分けるべきかわからず。自己PRにはどんなエピソードを使うべきなのかということに悩んでいました。
小柳さん
Iさんの中では自己PRとガクチカをどう定義しましたか?
Iさん
私は、自己PRはいついかなる状況でも発揮できる力と定義付けました。あるタイミングだけ発揮できた力はいついかなる状況でも出せる力ではないと思います。小学校、中学校、高校、大学と振り返った時に、自分が継続してどんな力を発揮できたのかというところに焦点を絞って自己PRを作成していました。
Oさん
ガクチカは、その瞬間発揮できた火事場の馬鹿力のようなものだとしても、特徴的なものを話すっていうイメージですか?
Iさん
「ガクチカで発揮した力は、他のシーンでも発揮できましたか」と何度か聞かれたことがあるので、 抽象化して自分の強みの一部として他のエピソードとの一貫性を持たせることが大切だと思います!
小柳さん
Pさんは自己PRについて何か悩んでいることはありますか?
Pさん
よく「自己PRを1分間でお願いします」など発言の際に時間制限を設けられることがあります。1分間という時間の中で伝えるってめっちゃ難しいなと思います。 私の場合は責任感と好奇心などを伝えたいんですけど、自身で準備したエピソードの中からどの内容を話せばいいか悩んでしまって…強みに対してどんなエピソード(経験)を伝えるか。どういう風に伝えればいいのか。というところが難しいです。
0さん
何をPRするのが一番効果的なんだろうっていう点に悩んでいます。質問の意図をちゃんと理解できている自信がないので、企業が求めている答えをきちんと回答できているのかなって心配しながら面接を受けているところがあります…
小柳さん
みんな色々な悩みがあるようだね。
まず、
自己PRを聞く意図は、その人の強みが仕事や会社においてどう活きるかを判断するため、という点が大きいと思います。採用ポジションによって業務内容が変わってくるので、業務内容に合う強みなのかというところを見ていることが大半です。
例えば人材の営業職だとしたら、お客さんが経営者や人事の責任者などで30代後半〜40代ぐらいの方が多かったりするので、そういったお客さんに対しても好印象か。活きる強みなのか。とか。メーカーだとしたら、お客さんが工場長など50、60代ぐらいの方を相手に仕事していくので、そのお客さんに可愛がられることがかなり重要だったりします。長期にわたって関係性を構築できる人材なのか。とか、そういった
仕事に合わせて活きる強みかっていうのを見ていると思います。
Pさん
そうなんですね。そうすると企業理解、事業理解が重要になると思うんですが、どうやって調べるのがオススメですか?
小柳さん
時間も限られているので 説明会の中で理解を深めることがまずは重要だと思います。後は、リクルーティングページの募集してるポジションのスタッフのインタビューだったり、マイナビなどの就活サイトの個人インタビュー記事などを読んで、 どんな仕事なのかっていうのをちゃんと理解した上で自分の強みがその仕事にどう活きるか研究する。その上で話せると結構優秀だな!と思われると思います。
企業にアピールすべき強みの内容とポイントとは?
02
Pさん
強みっていろんな側面があると思うんですけど、企業が求めてることによって変えた方がいいですか?それとも一貫性を持ちつつエピソードの伝え方などで変えた方がいいですか?
小柳さん
基本的には人による、と言うのが答えです。
器用な人なら企業に合わせて変えてもいいのですが、そういった自信がない人は変えないほうが良いですね。
器用に変えてしまうことによって、本当の強みと異なる強みを評価され入社後活躍できない。なんてことになる可能性も出てくるので、自分の強みを一貫性を持ってアピールすることが大切なんじゃないかなと考えています。
0さん
自分のやりたい仕事がちゃんとできるか、業界をきちんと調べた上で受けていくのも重要だなって感じました。今はSIer業界を志望してますが、プログラムを書いたりする中で、まずは与えられた仕事をきっちり期限内にやるような人が一番向いているのかなと思ってます。
小柳さん
SIer業界の中でも企業によって求めるところは異なりますが…プログラミング自体を行わない上流ポジションの場合は、周りを巻き込む力だったり、プログラマーの人と折衝する力とか、推進力とかが求められると思います。システムエンジニアなどのポジションであれば、わからないことを自分で解決する力が必要になってきます。何が原因なのかという点を自ら調べる力だったり、自ら解決する力。または解決できなかったとしても誰かに聞く力、聞いてでも進めるところが求められます。企業やポジションによって求められる能力が変わるかなと思います。
自己PRにおいて企業が見ているポイントとは?
03
Pさん
1分間とか何100文字と限られた中で、どんな言葉で、塩梅で、どういうふうに伝えていけばいいか。コツやポイントがあれば教えて欲しいです!
小柳さん
まず、「1分間で」っていうふうに提示されているということは、そういった突発的な依頼に対して対応できる人なのかという点を見ていると思います。要は話をまとめる力があるのか。あとは事前に準備する力がある方なのか。という点をみるケースが多いと思います。 その前提に基づいて、基本的には結論から喋る。その上で強みの根拠となるエピソードを加えて説明する。これができれば基本問題ないと思います。さらに、その強みを日常でどう活かしているかだったり、仕事においてどう活かしていきたいか。っていう点を話せるとより良いと思います。
Pさん
強みを話す時は、企業の職種とかに関連しそうな強みを話した方が良いんですかね?
小柳さん
そうですね。自身で思う強みが2つあって、その2つの中で近い方を選ぶ場合はちゃんと根拠をもって話せると思うので問題ないと思うんですが、その企業の仕事に合わせてそんなに強みではないのに強みとして話してしまうと、根拠が弱かったり、掘り下げられた時に矛盾を生んでしまったりすると思います。なので本当に強みだと感じていることを話した方がいいと思います。
Pさん
正直に話した自身の強みがちょっとズレているなって落とされる場合は、その企業に合っていないってことですね。
小柳さん
結局偽った強みを評価されて入社したら、多分求職者にとってもその会社とっても不幸になると思っていて。「とにかく行動力があります」って言って会社に入ってしまった時に、実態が伴わなかったりした時に、求められる行動力は出せないと思うんですよね。おそらく、求められる力に満たない本人が一番苦痛になるし、マネジメントする側も苦痛になると思うので、互いにとっていいことがないかなと思います。
自己PRの上手な伝え方、意識するポイントとは?
04
0さん
エピソードで話すことを教えて欲しいなあと思ってて。情景が伝わった方が良いのか、定量的にロジックをもって話せるのか、どんな点で「あ、エピソードとしていいな」「根拠としてちゃんと成り立ってるな」って見られるのか、コツなどを教えてもらいたいです!
小柳さん
コツで言うと、やっぱり誰が聞いてもすごいなとか、確かにそうだなと思えることが重要かなと思います。なので、エピソードの情景・概略、例えば部活動やバイトにおいて、強豪校なのか弱小校なのかだったり、所属してる人数が150人いるのか、20人しかいないのかによって、その強みの濃度が違うと思うので、そういった数値的な概略はやっぱり重要だと思います。すると、客観的に見てもやっぱりすごいな、それは確かに強いねっていうふうに納得感を得られると思うので。後付けでもいいのでなるべく数値化した方がいいと思います。
Pさん
エピソードの裏付けとして数値を入れ込むっていうのはめちゃくちゃ大事だと思ったので、使っていこうと思います!
Iさんも言っていたガクチカと自己PRの違いについても聞きたいです!
小柳さん
前提として、なぜガクチカと自己PRについてそれぞれ聞くのか、というと、その人の本質を多面的に見ることによって、その人の人格だったり価値観だったりが見えてくるからだと思います。
あとは、ガクチカはどちらかというと実務を想定して聞いていると思います。実際の仕事では困難や問題は必ず発生するので、仕事における問題をどのように乗り越えていくのかっていうのをイメージして聞くケースが多いかな。
自己PRは本人が潜在的に持っている素養や能力を見る目的が強いと思います。なのでIくんの内容にも近いですが、一事象における能力というよりも、すべての事象において得意なことだったり、強いことを聞いてるケースが多いと思います。
0さん
ガクチカと自己PRの一貫性が無かったり、関連性がないとマイナスイメージを持たれますか?
小柳さん
合ってなくても大丈夫です。ただ、矛盾してしまうのはアウトです。例えば、考えることが得意なエピソードと行動力が高いエピソードを話した場合に「考えるよりも先にすぐ行動します!」みたいに言ってしまうと「結局強みはどっちなんだっけ?」みたいな感じになってしまうので、深ぼられた時にうまく回答できないとあんまり良い印象にならないかなと思います。
0さん
Iさんはガクチカと自己PRの違いはどうやって定義づけ、解釈したんですか?自己分析して行く中でたどり着けたんですか?
Iさん
一言で表すなら、行動量かなって思ってます。自分で考えて試してみて企業に通じなかった時は何が原因があったかなと思いますし、あとは有識者に聞きに行くっていうのも一つの行動ですね。
0さん
ありがとうございます。私も行動量を増やして頑張ります!
あと、小柳さんにお聞きしたいのですが、結局企業の求める人材・人物像と求職者の強みがマッチしているかっていうところを見てるってことですよね?マッチはしてないけど、この人ほしいなって思わせるような人がいるとしたら、どんな人ですか?
どうしても入りたい。でも、今の自分の素養とその会社が必ずしも合ってないっていう時に一発逆転できる方法ってあったりするんですか?
小柳さん
仕事によって変わりそうですが、その仕事には合ってないけれど、別の部署とか別の職種で活かせそうだな、とか思ったらその部署を含めて検討することはあると思います。やっぱり突き抜けた能力だったり、強いエピソードとかが必要になってくるかなとは思います。ただ、先ほどもお伝えしたように大切なのは自身とマッチした企業に入社すること。そのためにはあまり着飾らず、等身大の自分で臨むことが重要だと思います!