学生支援10万人、企業コンサル3,000社行う採用のプロが語る通過率が上がる各選考フローのコツ
グループディスカッションでどんなポジションを取ればいいかわからない、集団面接で似たようなエピソードを話されると焦ってしまう、最終面接の時だけなぜか力を発揮できない。そんな課題はありませんか?
現役就活生のPさん、Oさん。大手コンサルティング会社に内定が決まったIさん。そして10万人を超える学生支援を行ってきた採用のプロ 小柳さんが対談形式で「各選考方法の中で人事や経営者の見ているポイントなど」を解説していきます。
登場人物のご紹介
小柳さん
日本初の新卒エージェント会社へ1期生として入社。26歳でシンクトワイス(株)創業&役員&新卒紹介事業責任者。35歳でヒトツメ(株)を創業&取締役。
Iさん
早慶上智/文系/4年生
内定先:大手コンサルティング会社
バイト経験:カフェ、塾講師
趣味:ランニング、バスケ、温泉
Pさん
国公立大学/文系/3年生
志望業界:広告、マーケティング系
バイト経験:マクドナルド、イタリアン、塾講師
趣味:バドミントン、カラオケ、ピアノ
Oさん
国公立大学/理系/3年生
志望業界:IT系
バイト経験:アパレル、塾講師
趣味:ボルダリング、映画鑑賞
目次
就活生が語る選考フローにおける苦手意識
01
Pさん
サマーインターンで何回かグループディスカッションをしました。まだこなした回数が少ないのもあるんですけど苦手意識があります。
ファシリになった方が考える方向性に対し、考えなしにコメントして議論の軸をぶらしてしまわないか等を悩んでいるうちに議論が進んでしまったり、結局発言が少なくなってしまいます。グループディスカッションでのポジションの取り方、進め方が直近の悩みです。
Oさん
自分もグループディスカッションで悩むことが多かったかなって思います。
ファシリ役になれば議論を回して上手くアピールできていると思うんですが、他の役職になった時にどう自分をアピールすればいいのか掴めず。アドバイスが欲しいです。
もう1つの苦手な選考は「集団面接」です。前の人とエピソードがかぶると「差別化が必要かも」と焦ってしまい、結果うまく話せず・・・。
就活のプロが語る
「グループディスカッションを行う意図」とは?
02
Oさん
まずグループディスカッションでは企業は何を見ていますか?
小柳さん
みんなグループディスカッションに苦手意識を持っているんだね。
まずはなぜ行うか、その前提理解が重要かと思います。グループディスカッションや集団面接がなぜ個人ではなくて集団で実施するのかは、大きく2つのケースがあります。1つ目は「基本的に数を絞るのに適しているから」です。面接可能な人数に絞り「次回選考につれていきたい」学生を選定するのにグループディスカッションは非常にいい手段です。2つ目は、個別面接では見れない集団との関わりや立ち位置、役割などを見るためという目的になります。
前者は、面接可能な人数が限られている中で内定を出せそうな人を優先的に面接に送り込みたいという意図があります。たくさんの応募から、より採用確度の高い人材を面接に極力呼びたいということです。
後者で言うと、仕事においては個人で行う仕事はほとんどないので、周囲との関わり方だったり集団で何か物事を進めるときの立ち回りやポジションを見て、価値貢献できるのかなどを見ると言う意図があります。
Pさん
グループディスカッションでは目立たない人は足切りされちゃうってことになっちゃうんですか?
小柳さん
そうですね。目立たない人は落ちるケースが多いと思いますし、逆に採用ターゲットに合う属性であれば目立ってなくても受かるケースもあると思います。
Pさん
立ち振る舞いじゃなく、そもそもの素養というか、学歴とかが重要になってきますよね。学歴が低い場合は基本目立つように立ち振る舞った方がいいってことですね?
小柳さん
これも間違ってないです。学歴とかを重視していない企業を受けることが必要になってきますし、逆にある程度学歴を重視している企業だとしても場合によっては受かることもあるので、大事なのは「この人の話を聞いてみたい」と思えるような立ち振舞をすることです。
Oさん
今採用したい職種に対応したキャラクターかどうか(自分からガツガツ行くタイプ、一歩下がって支えるタイプなど)というのもみてますか?
小柳さん
これは非常に大切な考えだと思います。
大半の会社はある程度ベースの能力や考え方は共通するような人材を押さえたいと思いますが、特性とか性格的な部分はいろんなタイプの人材がいた方が会社として弾力性が出ると考えるため積極的/保守的などどっちがいいとかはあまりないかなと思います。
大切なのはあらかじめ面接に望む企業の「求める人物像を把握」し、その側面を出せるように意識することです。
Pさん
「次回選考への絞り込み」という点にはちょっとびっくりしました。活躍したり、雰囲気を和ませたり、たくさん発言したり、そういうところが見られてるイメージだったので
Oさん
グループディスカッションをうまくアピールできるようになるためには、経験を積むしかないですかね?
小柳さん
回数を積むことでどういうものか雰囲気がつかめるので大事かと思います。2、3回ぐらいでどういうものかっていうのが分かっていれば、あとはその中での立ち回りかなと思います。
Oさん
素直で自然体がいいんですか?それともこういう人が欲しいんだろうなって狙っていくのが良いんですか?
小柳さん
自己との矛盾がない方が良いと思います。ファシリテーションが苦手なのに無理にファシリテーションになったことによって空回りしてしまうこともあります。その勇気を買う企業もありますけど。。前提は話してみたいと思われるかが一番重要だと思います。
Pさん
自分がそんな仕切れるタイプではないのですが・・・その場で求められる役割、欲しい人物像にあっている側面を出せるか意識しながら次は望んでみようと思います!
書類選考、グループディスカッション、集合面接、個人面接、
それぞれで意識すべき点とは?
03
Oさん
そもそもそれぞれの選考で共通して気をつけることはあるんですか?
小柳さん
書類選考や面接の通過条件は「企業の採用基準に合ってる人材か」がベースにあります。採用基準にあっているかを意識しつつ、ある程度場数を踏むことが重要だと思います。後半になればなるほど「個人としての性質や考え方」がマッチしているか見られるので、その企業の仕事や大切にしている点に合わせて話していくことが重要だね。
Iさん
「企業の採用基準に合ってる人材か」はどの選考でもすごく大切にしてました。
実は僕が一番悩んだのは書類選考でした。マッチしていることを端的に伝えるのが難しくて・・・。気をつけることはありますか?
小柳さん
書類選考は企業によりますが、学歴でフィルタリングしていることも少なくないです。だからそこに自信がない人は学歴不問のところやエージェントに相談するのがおすすめです。
後は、「書類が埋まっているか」はかなり重要です。意欲の高さをみる1つの要素として、文量を見るケースもあります。文章の書き方、ですます調の統一感など基礎的な所を押さえているのが最低条件で、あとは魅力的な強みやガクチカの説得力は大切にしたほうがいいと思います。
Oさん
ちゃんと埋める・・・意識してみます!
では集団面接のときのポイントはどのような点になりますか?周りと比べて焦ったり、インパクトが弱かったかなと反省会をその場で開いてしまうようなこともあり。。
小柳さん
自身をアピールするのはもちろん大切です。が、さっき言ったことを思い出してみようか。「次の面接に連れていきたいか(また話を聞きたいか)」が大切と言ったよね。
周りの話を相槌をうちながらきちんと聞く、「〇〇さんと近しいのですが」などと協調性を感じられるような立ち振舞だと評価は高くなる傾向にあると思います。前の方の名前を覚えてるとか、ちゃんと他の人の話を聞いてるっていうところで、賢いなとか、仕事においても周りの話をちゃんと聞けそうだなと連想させるのが重要です。
Oさん
他の人の発言などをちゃんと自分でも受け止めて、自身の話に活かす・・。 意識できていなかったので意識してみようと思います!
Iさん
個人面接のときに一番気をつけたのが「いかに会社の求める人物像にあっているかを証明する」ことです。強みの伝え方などってコツはありますか?
小柳さん
基本的に選考の初回フェーズは人物を見る選考が多いため、人物像をきちんとアピールできるか。あとは強みとかガクチカにしても、なぜそのエピソードや強みを選択したのか。その背景も含めてきちんと説明できるようにしていれば問題ないです。
前半の方の選考は基本迷ったら上げて、選考後半になってくると迷ったら落とせになってくる企業さんが比較的多いと思います。
Iさん
確かに面接が進むにつれて話し方も変えていったほうがいいなと感じました。
一次面接が絶対評価、二次面接が相対評価っていうのは特に意識していました。相対評価は加点方式で、他の人よりもどこが優れているかという点で評価すると聞いていました。一次面接は絶対評価と聞いてたので、受け答えが問題なくできるようにしておこうと意識していました。相対評価は、他と比べて自分は何ができるのかアピールすることを特に意識してましたね。
小柳さん
素晴らしいですね。基本的には絶対評価でジャッジする会社が多いんですが、選考後半フェーズになってくると結局採用人数が関わってくるので相対評価(比較して、いかに自社にあっているか見極める)要素が強くなります。
Oさん
最終面接はマッチング度が重要ということですよね。志望動機だったり、企業理解だったり、よりこの人が活躍できる可能性が高いかどうかを見極めていくというイメージであってますか?
小柳さん
後半になるほど役職者や招き入れるチームの責任者がでてくることが多くなります。「自分のチームにいてうまくやれるか」だったり、マイナスの印象にならないかとか、より現実的に見ていくようになります。
Pさん
「自身のチームにいてうまくやれるか」ですか・・
チームのこと知らないからアピールしようがないと思うんですけど、なんかオススメの質問の仕方とかあったりするんですか?
小柳さん
いい質問ですね!
どんな人が活躍しているか、仕事においてどんな特性が生きるのかだったりを理解できていると「だから自分はここで活躍できるんです」と提案ができるようになります。
つまり、説明会や面接などで意図して「具体的な仕事内容の理解やどんな人が活躍しているか」聞いて理解していると企業のニーズにあった回答がしやすくなるね!
Oさん
なるほど・・・そうなると初回の説明会から気が抜けないです・・・結局企業理解が面接のどのフェーズにおいても重要になるんですかね?
小柳さん
会社の文化・カルチャーがあると思うので、例えば同じ広告の営業の会社だったとしても、数値を評価の8割に置いてる会社と初めの3年ぐらいは数値評価は5割で残りの5割はプロセスとかスタンス的なところを評価する会社だと、求める人は同じ会社とか同じ職種でも変わります。
Iさん
求められる人物像にあっているかが大切ということは「活躍しそうな人材にマッチするように演じる」ことが受かりやすくする方法なんですか?
小柳さん
入社後本来の自分とのギャップで辛くなるから、できるだけ活躍してる人と自分の特性がマッチしている所を受けた方がいいですね。
いかにマッチしているかを証明するためには
「自己理解」が重要?
04
Pさん
どうやって自分の特性を把握するのがお勧めですか?
小柳さん
就活でも仕事においてもプロとか経験者に相談した方がよりリアルな話を聞けると思います。先輩が活躍したり評価されてるっていうのはどんな能力があるからか、とか、自分も近い能力があるのか、などがわかるのがOBOG訪問の価値だと思います。
Pさん
本当にマッチングというか、自分の強みと企業の特色が合致することが結局一番大事っていうか、両者ウィンウィンなのかなっていう。なんか全体像が見えた気がします。
Oさん
就活は情報戦だと実感しました。いろんなことを知った上で仕事を探さないと、入った後に後悔するのは自分だなと思いました。そう考えると今の時期ってすごく大切な時期なんだなって実感できました。
Iさん
好きなことを仕事に選ぶのもそうですし、強みのあった会社を選ぶところが、選考でも働く上でも有利になるっていうのは非常に納得した点でした。